第32回がにゅーオフ全国ダブルの部使用構築 エルテラリザY

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
エルフーン ふくろだたき アンコール おいかぜ トリックルーム きあいのタスキ いたずらごころ
テラキオン いわなだれ インファイト じしん まもる ジメンZ せいぎのこころ
リザードン ねっぷう かえんほうしゃ ソーラービーム まもる リザードナイトY もうか
霊獣ランドロス じしん はたきおとす ストーンエッジ ばかぢから とつげきチョッキ いかく
ギルガルド シャドーボール ラスターカノン ワイドガード キングシールド いのちのたま バトルスイッチ
カプ・コケコ 10まんボルト マジカルシャイン くさむすび まもる デンキZ エレキメイカ

概要

エルフーンテラキオンの叩きギミックと、テラキオンと攻撃範囲・耐性面で相性の良いメガリザードンYという6世代から存在する組み合わせを軸に
サンムーンから登場した新要素を一部盛り込んだ構築。
全体として攻撃的なポケモンを多く採用し、火力と手数で圧倒することを心掛けました。
しかし完成度にはあまり納得いっていないため、以下の個別解説は簡素なものとなっています(これについては後述)。

個別解説

エルフーンきあいのタスキ
ふくろだたき、アンコール、おいかぜ、トリックルーム
167-64-106-*-95-184

展開の軸となるポケモン。このポケモンを出さないことには叩きギミックが成立しないため積極的に選出していきます。
技は必須であるふくろだたき、パーティ全体の素早さを底上げするおいかぜまではすぐに決定。
アンコールは相手の技を固定することでこちらの思考を簡略化できることや、テラキオンに有効でない技で縛り付けて
安全に叩き起動できる盤面を作り出せることを評価し採用。
最後にテラキオンより素早いポケモンが増えたため、おいかぜを互いに撃ち合ったときに先制されてしまうケースが増えたことを考慮し
トリックルームへの切り替えし手段としても使えるトリックルームを採用。
オフ当日はこの技に救われて拾えた試合があったのはよかったですが、エルフーンは他にも優秀な技の選択肢が多いため悩ましいところです。

なお、この構築においてはテラキオンへのふくろだたきの乱数が変わるラインがA67からなので、A個体値は5以下であることが望ましいです。


テラキオン@ジメンZ
いわなだれインファイト、じしん、まもる
171-160-127-*-111-176

・216ランドロスの75%じしん+エルフーンのふくろだたき4発をじしんの乱数上2つ以外耐え
インファイトで181-120メガガルーラ確定1発
・[+3]ライジングランドオーバーで耐久指数26900程度のポケモンまで確定1発
(参考:212-120メガガルーラが25440、ヒードランはまもるの上から一撃)

パーティの主役。このポケモンがどれだけ相手に被害を与えられるかに勝負が懸かっています。
叩きを起動できる範囲を広げるべく、スカーフ霊獣ランドロスを意識した配分を採用しました(参考)。
またギルガルドを見て選出を渋ることがないようにじしんを採用し、持ち物はジメンZとしました。
これにより苦手なポケモンが出てきた時はZワザで強引に倒し、そうでない場合はいわなだれで制圧するという戦い分けが可能になりました。


リザードンリザードナイトY
ねっぷう、かえんほうしゃソーラービーム、まもる
175-*-113-129-105-162(175-*-113-179-135-162)

・晴れかえんほうしゃで167-170ギルガルドを乱数下3つ以外で1発
・75%晴れねっぷうで155-130メガメタグロス確定1発
・197ランドロスの75%いわなだれを最高乱数以外耐え
・197ボルトロス10まんボルトを最高乱数以外耐え

6世代から使い続けているテラキオンとの相性補完に優れたポケモン
技は全体攻撃のねっぷうを軸に、水タイプに対する打点としてソーラービームワイドガードを持つギルガルドへの打点としてかえんほうしゃを採用。
命中100%未満の技を多用する構築なのでオーバーヒートは採用を見送りました。

配分に関してはテラキオンと同様にスカーフ霊獣ランドロスを意識してHBに大きく割いています。
しかしカプ・テテフを意識した素早さ配分をした結果、火力、耐久共に中途半端となってしまったのは反省点。


ランドロスとつげきチョッキ
じしん、はたきおとす、ストーンエッジ、ばかぢから
189-190-110-*-100-143

・75%じしんで185-81ドリュウズ確定1発
・ばかぢからで207-170メガバンギラスを最低乱数以外1発
・[-1]ストーンエッジで185-99リザードン確定1発
・211メガリザードンYの晴れオーバーヒート確定耐え

電気、地面、格闘に耐性があり、威嚇で耐久力の底上げが可能な霊獣ランドロスを採用。
持ち物はとつげきチョッキ。繰り出し性能が上がることは勿論、他にも主に炎やフェアリー、めざめるパワー氷を持つ電気との撃ち合いに強くなること、
トリックルームを軸とするパーティに対して強引に居座って打開してもらうことを狙いとしています。
岩技はワイドガードリザードンの並びを崩すためにストーンエッジを選択。
はたきおとすはZクリスタルの登場で若干信頼度が下がりましたが、それでもとつげきチョッキこだわりスカーフといった
行動保証アイテムを無効化してテラキオンリザードンを安全に動かすことに貢献してくれました。


ギルガルド@いのちのたま
シャドーボール、ラスターカノン、ワイドガード、キングシールド
155-*-170-101-170-103(155-*-70-211-70-103)

シャドーボールで172-136カプ・テテフ確定1発

テラキオンの苦手なフェアリー、格闘、エスパーの一貫を切ることができ、クレセリアカプ・テテフメタグロスといった
エスパータイプに大ダメージを与えられるポケモンとして採用。
全体技で弱点を突かれやすいアタッカーを守り、ゲーム終盤の詰めもこなせるワイドガードを使えることも採用理由の一つ。
テラキオンリザードンの全体技で削ったポケモンを倒せる範囲を広げるために持ち物はいのちのたまとしました。
メガガルーラカプ・レヒレヒードランといったポケモンを約半分削ることができるため、立ち回りの幅が広がります。

トリックルームを意識して素早さを下げる選択もありますが、今回は追い風後の動きを想定して素早さを伸ばした個体を使用しました。
ただボックスにいた個体をそのまま使っているため、細かい配分に関しては改善の余地が大いにあります。

カプ・コケコ@デンキZ
10まんボルトマジカルシャインくさむすび、まもる
145-*-106-147-95-200

未だ不安の残る硬い水タイプや、カミツルギメガメタグロスメガボーマンダといった高速ポケモンを相手してもらうためにカプ・コケコを採用。
上記のポケモン(特にカミツルギ)を上から一撃で倒せるように持ち物はデンキZとしました。

くさむすびは当日メガラグラージが多いだろうと考えて急遽採用しましたが、見事に空振り。
そもそも対策として機能するかも怪しく、素直にボルトチェンジかちょうはつでも入れておくほうがマシでした。

構築の課題

がにゅーオフで本構築を使用したところ、事前準備の甘さと考察不足ゆえに様々な課題が浮き彫りとなってきました。
その中でも主なものを以下に示します。

・Zクリスタル持ちカプ・コケコをはじめとする高速ポケモンの対策
こだわりスカーフを持たずにテラキオンを上から一撃で倒せる可能性のあるカプ・コケコは非常に脅威になります。
しかし今回はランドロスとつげきチョッキで採用しているため、コケコを上から縛るためにはS操作を絡める必要があり
どうしても一手遅れてしまうことが気になりました。

・天候やトリックルームの切り返し
対策を耐久力の低いエルフーンに任せている点で不安が残ります。
実際にエルフーンを選出できなかった試合や、エルフーンを早々に失った試合では封殺されてしまったため
今一度考え直す必要があると考えました。

エルフーンの仕事がなくなる
テラキオンを早々に失ってしまった場合に起こりました。
他のアタッカーと並べた際に有効なサポートが行えず、実質2対1の盤面となることがネックでした。

他にも挙げると枚挙に暇がないですが、構築の完成度を高めるためにこれらの課題をクリアーする必要がありました。
そこで全国ダブルの構築案を欲していたベテさんに声をかけ、ブラッシュアップに付き合ってもらうことになりました。
二週間ほど改善案の提示(殆どベテさんに出してもらっていました)、レートでの試運転、フィードバックという工程を繰り返し
仕上がった構築が以下となります。

改善案

ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
エルフーン ふくろだたき おいかぜ うそなき にほんばれ きあいのタスキ いたずらごころ
テラキオン いわなだれ インファイト じしん まもる イワZ せいぎのこころ
リザードン ねっぷう かえんほうしゃ ソーラービーム まもる リザードナイトY もうか
霊獣ランドロス じしん はたきおとす ストーンエッジ ばかぢから とつげきチョッキ いかく
ギルガルド シャドーボール かげうち ワイドガード キングシールド のろいのおふだ バトルスイッチ
カプ・コケコ 10まんボルト マジカルシャイン めざめるパワー氷 まもる いのちのたま エレキメイカ

詳細はベテさんのブログをどうぞ。
ここでは変更点について簡単に触れます。

エルフーンの技を大幅に変更
にほんばれを採用することで、天候の取り合いにより強く出られるようになり、特に対雨パーティの勝率が向上しました。
またテラキオン以外のポケモンと横に並べた時にもエルフーンが腐りにくいようにうそなきを採用。
これにより展開の幅が増え、エルフーンテラキオンの並びを作りにくい相手を崩しやすくなりました。
例えば相手のカプ・コケコはフィールドさえ取れていればうそなき+10まんボルトで倒すことができるため
同速ではありますが対コケコの動きを確保することに成功しています。

テラキオンの持ち物をイワZに変更
当初イワZはストーンエッジベース(威力180)で強さを発揮できる持ち物だと考えていました。
しかし実際に全国ダブルを戦ってみると、仮想敵であるクレセリアがHCベースで使われていることが多いと知り
これを想定した場合、いわなだれベース(威力140)でも火力が足りると判断し、変更に踏み切りました。

なお、じしんに関してはやはり対ギルガルドを無視できなかったことと、
詰めの場面で命中100の全体技が活きることが多いことを考え、そのままとしました。

ギルガルドを速い個体から遅い個体に変更
おいかぜで制圧するためのアタッカーは数が足りていると判断し、ギルガルドは対トリックルームに寄せることとしました。
また通常の盤面でも動かしやすいように、高火力全体技と相性の良いかげうちを採用。
ラスターカノンを打ちたい相手は他のポケモンで殴れることが多いこともあり、ゴースト技一本でもそこまで窮屈な印象は受けませんでした。

・カプ・コケコの持ち物をいのちのたまに変更
当初カミツルギを意識してデンキZを持たせていましたが、全く選出されなかったためにいのちのたまに変更。
テラキオンの持ち物がジメンZの時はさほど気になりませんでしたが、イワZの場合はこちらを積極的に打つ場面が多かったため
Z被りによる事故を避ける意味でもこの変更は正解でした。
使用機会のなかったくさむすびはめざめるパワーで上書きし、厄介な霊獣ランドロスに手が出るようにしています。


がにゅーオフで露呈した構築の欠陥や、想定と現実のギャップを修正した上記の構築をベテさんがあいオフで使用し、見事優勝。
私が及ばなかったあと一歩を繋いでくれました。構築相談に乗ってくれたことも含め感謝しかありません。
私自身も今回の結果からいい刺激を受けることができ、大変貴重な機会となりました。

まとめ

今回は前作までの経験値と育成個体を活かして戦える叩きパを選択しましたが、
素早いポケモンや強力なフェアリータイプの登場、メガシンカの仕様変更等といった逆風は吹いているものの
Zクリスタルによる破壊力の底上げや、苦手とする化身ボルトロスファイアローの減少など、プラスに働いている面もあり
まだまだ戦える構築であることを実感しました。

最後までお読み下さりありがとうございました!

おわりに

9/15(土)に第33回がにゅーオフが開催されます!
募集記事はこちら:http://d.hatena.ne.jp/ganyu-off/20170715
お時間のある方は是非遊びに来てください!